小児の口腔育成について
当院院長は学校医をしております。
今年の学校検診では幼稚園24名、小学校294名でした。
過蓋咬合 122名
反対咬合 17名
叢生(歯並びが一部ずれている) 106名
今のところ概ね問題なしの咬合 73名
1本もむし歯なし 318名中202名
因みに幼稚園検診では歯並びのチェック項目はありません。
独自に調べております。
小学校検診でも、歯並びは細かく検診されません。
過蓋咬合という歯ならびの状態があり、最近の子供達はこの歯並びが多いです。
一見、歯並びは問題ないように見えますから気付かれにくいです。
顎の骨の成長阻害を起こし、呼吸障害を伴いますので脳機能、睡眠、免疫機能などに大きな支障をきたします。
睡眠時口ポカンは当たり前、イビキなんてかいてカワイイねとか言わないで下さいね。
寝起きも悪くなってませんか?
アレルギー出てませんか?
高齢者みたいにお肉が噛めないから嫌いとか言ってませんか?
子供は危険なサインを出しています。誰かが気付いてあげないといけません。
むし歯なしと言われれば、そのまま終わってしまうのが大半です。
保健の先生からウチの学校だけ歯列不正が多いので市から統計間違いではないか?という指摘を受けたとの報告がありました。
勿論、いつも私が歯並びに関してはきちんと説明していましたので保健の先生はキッパリと結果を間違いないと言ってくれたみたいです笑
学校医の多くは昔のむし歯過多時代からの教育を受けていますので、歯並びに関しては知識不足です。
かくいう私も6、7年前までは勉強不足でした。
そういう学校医の考え方がまだまだ大半であると思っています。
もう一度言いますが過蓋咬合という歯並びは気づきにくい分、大きな問題です。
過蓋咬合は口腔ボリュームの低下により呼吸不全を起こします。
睡眠時の歯ぎしりやいびきはその反動です。
つまり、呼吸不全で寝れていないのです。
寝れていないので、自律神経過緊張により脳の成長にも障害をきたします。
夜も呼吸不全で、昼もマスクで呼吸不全で大変です。
あと咬合圧のバランスも悪いのでむし歯の出来るところに特徴が出ると思います。(上の前歯の真ん中だけ等)
他にもいっぱいありますが、歯並びは見た目だけの問題ではないということ、むし歯は食べ物のせいだけの問題ではない事を皆さんに知って欲しいですね。
歯並びが悪かったら、将来大人になってから矯正すればいいと思っている方がいるかもしれませんが、大人の矯正は大変です。
歯を綺麗に並べるスペースがないために、永久歯を抜かなければならないこともありますし、無理やり綺麗に並べるので後戻りが絶対あります。
せっかく、高額な費用と時間をかけても無駄になることもあるのです。
子供はこれから成長します。顎が成長すれば、必然的に歯が綺麗に並びますので、成長とともに矯正することで、後戻りはありません。
これを口腔育成と言います。
当院はこれに力を入れておりますので、未来の日本を支える子供を育てるためにも、是非ご相談ください!